忙しくてなかなか全身を検査できない。そんなときのMRI全身検査
がんの早期発見に活躍する簡便な検査法
がんの治療・予防・早期発見に関する知見は、このところ日進月歩で更新されています。
ひと昔前まで「不治の病」と思われていたがんも、いまは多くのがんが治療可能となり、早期発見の手段も次々と開発されています。
そんななか、にわかに注目を集めている検査法が、全身(頸部~胸部・腹部・骨盤)のがんをスピーディーに探っていく「MRI全身検査[DWI(ディー・ダブリュー・アイ)法]」です。
MRI全身検査(DWI法)とは、強力な磁気と電波の力で体内の状態を画像化する医療用装置「MRI」(Magnetic Resonance Image=磁気共鳴画像撮影)を使用して、全身に潜むがんの疑いを短時間で探索していくものです。
通常のMRI検査にDWI(diffusion weighted image=拡散強調画像)と呼ばれる新技術をプラスして、全身の臓器や血管を200枚前後の画像に写し出していきます。
これにより全身に存在する小さな腫瘍などが、悪性良性に関わらず一気に総覧できる可能性が高い仕組みです。
検査に要する時間は約20分。受診者は仰向けのままMRI装置の中に入っていき、段階的に体内を撮影されます。
まさに「寝ているだけ」の検査です。
MRIの構造上、狭い「筒」の中に閉じ込められるのが嫌いな人は苦手かもしれませんが、そうでなければこれほどラクチンながん検査もないでしょう。
放射線被ばくゼロ、食事制限もなし
MRI全身検査(DWI法)で特筆すべきは、検査に放射線を一切使用しないという点です。
レントゲン(X線)に代表される体内の撮影は、たとえ人体に影響のない放射線量だったとしても放射線を浴びるという検査自体に抵抗を感じる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、MRI全身検査(DWI法)なら放射線ばくはゼロで、放射線医薬品を含む注射の必要もありません。気持ちのうえでも楽に受けられる検査といえます。
また、健康診断に付き物の「前日の夜9時以降は食事をとってはいけません」という食事制限もありません(人間ドックとの併用でない場合)。
まだ本格的に導入している施設は少ないものの、今後のがん検診に与える影響は大きいかもしれません。
人間ドックを担当する医師や技師たちにとっても、「体全体のどこに問題がありそうか」がパーッと概観できる画像診断は強い味方になるといいます。
個別具体的な問題に取り組む前にプロジェクトの全体像を見渡してみる重要性はビジネスでも医療でも同じ。
がんの疑いを全身に渡って大づかみするMRI全身検査(DWI法)は、問題解決のアプローチ法としても非常に理に適った検査法といえそうです。
◆検査可能施設◆
<東京>
施設名 | アクセス |
---|---|
立川北口健診館 | 立川駅 徒歩約5分 |
MRI全身検査(DWI法)を含んだ当クリニックオリジナルコース
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監修
森山 紀之(医療法人社団進興会 理事長)
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。
イラスト
©koike amiigo